関西の隠れたアートなスポット大山崎山荘美術館

アートに興味のある方に行ってほしい自然の中にある山荘美術館

今回ご紹介するのは、京都府乙訓郡にある隠れた庭園美術館、「アサヒビール大山崎山荘美術館」です。

京都といっても、大阪市との境にある天保山の山麓にあるため、京都市内からは電車で20分、大阪市内からでも電車で30分ほどで行くことが出来ます。

最寄駅からは徒歩10分ほどのため歩いていく事も出来ますが、坂道が心配な方などは無料送迎バスもあるため安心です。

大山崎山荘美術館

大正から昭和初期に、実業家、加賀正太郎が自らデザインして建設されたイギリス風の山荘とこだわりの内装や家具。そして周囲を自然に囲まれた静かな環境は日常から切り離された別世界を体験できます。

バブル末期には一時取り壊し、マンション建設の計画も浮上したそうですが、地元住民の反対と保存運動が起こり、当時の知事の友人であったアサヒビールの社長の協力もあり現在の姿に保存されました。

また、加賀正太郎はアサヒビール初代社長、山本為三郎とも友人であったことからも、両者には縁があったともいえます。

美術館として活用するにあたり、本館以外にも別館が増築されました。世界的建築家、安藤忠雄氏が設計した地中館≪地中の宝石箱≫と山手館≪夢の箱≫です。

周辺の環境との調和を図るため、半地下の設計となった地中館には、常設展示としてかの有名な印象派、クロード・モネ≪睡蓮≫が展示されています。

その他にも河井寛次郎や日本民藝運動ゆかりの作家の作品1000点以上を所蔵し、その中の数点を定期的に展示替えしながら公開しています。また、本館から続く山手館では、常設展示以外に年に数回開催されている特別展示が行われています。

安藤氏の建築と言えば、装飾の少ないコンクリートのイメージがありますが、ここではガラスを効果的に用いたり植栽を行ったりと、コンクリートの建物が周囲に溶け込むような工夫がなされています。

また、この山荘でのおススメポイントは本館二階にある喫茶室です。テラス席では天保山の自然と山荘の庭園を一望できる特等席となっています。

あくまでも喫茶室ですが、ここではビール(アサヒスーパードライ)の提供も行われているため、テラス席で雄大な自然を眺めながら優雅に一杯楽しむことができます。

また、特別展開催中であれば、展示と関連したリーガロイヤルホテル京都考案の特製スイーツが提供されていることもあります。

展示を楽しんだあとは自然の風景を眺めながらのコーヒーと美味しいケーキで、山荘の魅力を十分に味わってみて下さい。季節が変わるたびに自然は異なった表情をみせてくれます。
特別展を楽しむ傍ら、季節ごとの風景も楽しみに訪れてみてはいかがでしょうか。