ロックバンド「Nine Inch Nails」の伝えたい魅力

Nine Inch Nails

Nine Inch Nails(ナイン・インチ・ネイルズ)とは、ボーカル・作曲を手掛けるトレント・レズナーを中心に1988年から活動を続けるロックバンドです。
1990年代に一世を風靡したオルタナティブ・ロックと呼ばれる音楽シーンにおいて、NirvanaやPearl Jamと並ぶ代表的なバンドとして活躍しました。

Nine Inch Nailsの紹介

音楽的特徴

サウンドは、インダストリアル・ロックというジャンルに属するとされ、シンセサイザーやサンプラー、ドラムマシンなど、いわゆる打ち込みを使ったダンサブルな要素、そして激しいギターによるロック的な要素が融合したサウンドが特徴です。

メンバー

メンバーは中心人物のトレント・レズナー以外は流動的で、ライブやレコーディングの度にミュージシャンを迎え入れて演奏・制作するというスタイルをとっているため、実質的にトレント・レズナーのソロプロジェクトとも言えるでしょう。
トレント・レズナーはソロとしても活動しており、映画の音楽などを手掛けています。最近ですと、「ドラゴン・タトゥーの女」や「ゴーン・ガール」などデヴィッド・フィンチャー監督の映画の音楽をほぼ毎回、任されています。つまり、作曲家としてもプロということですね。

来歴

1988年、トレント・レズナーを中心に活動開始
1989年、アルバム「プリティ・ヘイト・マシーン」でデビュー
1994年、セカンド・アルバム『ザ・ダウンワード・スパイラル』でビルボード初登場2位を記録。バンドの評価を決定づける。同年、音楽フェス「ウッドストック 1994」に出演、土砂降りの中、メンバーが泥まみれになりながら行ったパフォーマンスが話題に。
1999年、2枚組アルバム『ザ・フラジャイル』をリリース。ツアーも行うが、その後、トレント・レズナーが精神的に不調な時期が続き、しばらく活動が停滞する。
2005年、シングル「ザ・ハンド・ザット・フィーズ」、続いて約6年ぶりのアルバム『ウィズ・ティース』をリリース。精力的に活動を再開し、その後もツアーやアルバムリリースを続ける。
2009年、世界ツアーを最後にNine Inch Nailsとしての活動を終了。以降、しばらくの間トレント・レズナーは別ユニットや映画音楽での活動を行う。
2013年、活動再開し、フジロックにも来日。さらにアルバム『ヘジテイション・マークス』リリース。ビルボードで3位を記録し、健在ぶりを見せつける。
以降、現在に至るまで活動中。

Nine Inch Nails、わたしのおすすめ代表作!

それでは、Nine Inch Nailsの代表作をここでは3枚、紹介していきましょう!

1.ブロークン(EP)1992年

Nine Inch Nailsの音楽性を確立し、同時に注目を集めるきっかけとなった作品。
前年に発表されたNirvanaの「ネヴァーマインド」によって訪れたオルタナティブ・ロックの波に乗るように、今作ではアグレッシブなギターサウンドを導入。
収録楽曲「ウィッシュ」や「ゲイヴ・アップ」といったヘビーな楽曲群が、ハードなサウンドに飢えていたリスナーやティーンのハートをがっちり捕まえました。
また、NirvanaやPearl Jam、The Smashing Pumpkinsなどといったオルタナティブ・ロック勢の中で、打ち込みとバンドサウンドの融合という、他にはない独自性を明確に示すことにも成功しました。
EPということで短いので、ハードでディープながらもサクッと聴ける好盤です。

2.ザ・ダウンワード・スパイラル 1994年

Nine Inch Nailsの紛れもない代表作です!
一般的にも一番有名な作品。
前作「ブロークン」から続く、打ち込みとハードなギターサウンドの融合を踏襲しつつ、フルアルバムとしてより深く、トレント・レズナーという人間の持つ世界観を描き出した一枚になります。
シングルヒット「クローサー」や美しいバラード「ハート」など、退廃的かつ暴力的でありつつも、どこか悲痛な楽曲が並び、ズブズブと底なし沼に沈み込んでいくような印象。まさにザ・ダウンワード・スパイラル(落ちていく渦巻き)です。
当時のトレント・レズナーが抱えていた葛藤や不信などが、切実な形で表現された作品なので、簡単に人に勧められないところではありますが、今まさに「怒り」や「孤立感」を感じている少年少女にはぜひ聴いてもらいたい一枚です!

3.ウィズ・ティース 2005年

トレント・レズナーの不調により活動が停滞していたNine Inch Nailsが息を吹き返した一枚!
それまで抱えていた闇を振り切ったかのように、シンプルかつストレートに「強い」楽曲が揃っています。
中でもシングル「ザ・ハンド・ザット・フィーズ」は、これまでにないくらいキャッチーで、Nine Inch Nailsを初めて聴く人にもダイレクトに良さが伝わる一曲。
新たなリスナーにもアプローチする内容でありながらも、これまでバンドを見守ってきたファンにとっても、トレント・レズナーの人間的な成長が感じさせられる良作になっています!

以上、Nine Inch Nailsの代表作を紹介してきました。
少しでもNine Inch Nailsに興味を持っていただけたら幸いです。ぜひ聴いてみてください!