animenova|世界一可愛いトリオ「殺生丸一行」

世界一可愛い、ほのぼの癒しトリオ「殺生丸一行」。
「ああー分かる!」
という方も、
「それは何?どこの誰?」
という方もいるでしょう。

ズバリ、世界的に有名な人気漫画「犬夜叉」に登場する、主人公の兄と愉快な仲間たちを指します。
巨匠・高橋留美子先生の最長連載作品で、世界中でアニメ版が放映されているので、ご存知の方は多いかもしれません。

犬夜叉あらすじと最強トリオの誕生

「犬夜叉」は、基本的にシリアスでハードな物語です。
少年漫画ながら宿敵との戦い、引き裂かれた男女、陰謀と、かなり重たい要素があります。戦国時代を舞台に、妖怪の血を引く少年『犬夜叉』が、宿敵・奈落と戦う。
その主人公の腹違いの兄が、『殺生丸』という妖怪です。



人間を母に持つ犬夜叉と違い、殺生丸は大妖怪の両親から産まれました。
更に作中最強の強さと美貌に、高いプライド。中性的な容姿ながら、性格は残忍です。たまたま遭遇した野盗集団を惨殺したり、弟の犬夜叉をあっさり手に掛けようとしたり。
どこか人間くさい犬夜叉と対照的な、「ザ・妖怪」という、おっかない人物でした。

しかし、当初は情の無い冷血漢だった殺生丸が、単行本14巻から変わり始めます。それは人間の少女、『りん』との出会いがキッカケでした。
犬夜叉との戦いで重症を負い、森の中で倒れた殺生丸。そこにたまたま通りかかったのが、近くの村に住む孤児のりんでした。見るからに人間ではない殺生丸を、しかし心配して、毎日食べ物を運ぶりん。食べて貰えませんでしたが、実は彼女は家族を失い、村の厄介者でした。

ふとしたことで村の大人達に折檻され、顔中を腫らして現れた彼女に、殺生丸は初めて「顔をどうした」と問います。嬉しそうに、ニッコリ笑うりん。
「何が嬉しい」
と、殺生丸は訝しげですが・・。

しかし直後、村を狼の集団が襲い、りんも噛み殺されてしまいます。
臭いで異変に気付き(犬妖怪なので)、向かうと、そこには、血まみれでこと切れた、りんの小さな骸が。

殺生丸は一度は去ろうとしますが、彼女のボロボロの笑顔を思い出し、戻ります。そして恐らく生まれて初めて、慈悲の心で宝剣を作動させ、りんを蘇生させました。
人間を虫ケラのように蔑んでいた、あの殺生丸が。

ここに殺生丸と手下の邪見、そしてりんという、戦国最強の癒しトリオが誕生しました。

たくさんの魅力

邪見にも触れましょう。彼は子供のように小さな妖怪で、容姿はカエルかカッパのようです。それが狩衣を着て烏帽子を被り、杖を持って人間のように歩くのですから、どこかユーモラス。

また割とコメディ担当で、無口でクールな主人を補うかのように、よく喋ります。失言して、主に殴られるのもお約束。
りんが仲間に加わってからは、主人の命令で渋々と幼女・りんのお世話をします。一緒に作物泥棒をしたり、お留守番をしたり。口やかましいけど、どこか憎めない邪見。りんもすぐになつき、三人は揃って旅を続けます。
自分をコケにした奈落を八つ裂きにする為の、殺生丸の旅なのですが(プライドが高いので)。



しかし最強の妖怪である殺生丸に挑む敵は多く、ただの幼女であるりんは、何度も拐われて人質にされてしまいます。
文句を言いながらも、毎回ちゃんと助けに行く殺生丸。
一部では有名らしく、敵にも「あの子供が弱点」と認識されています。

しかし、戦国最強の割に何度も拐われてしまうのは、どこか抜けた殺生丸らしくて、ちょっと愛嬌を感じます。
今までは攻撃ばかりで、防御の必要がなかったのでしょうね、きっと。

見目麗しい青年の殺生丸と、小さくて可愛い少女のりん。そして、小さい妖怪のオジサン・邪見。
長身の殺生丸が、小さな二人を従えて歩く姿は、何とも言えず可愛いし、ほのぼのします。

またりんも、幼いながら肝が据わっており、恐ろしい敵と遭遇しても動じません。そこには、最強の殺生丸さまが必ず来てくれる!という強い信頼があるのでしょう。家族のようだけど家族じゃない、そんな不思議な三人。

ちなみに殺生丸はもともと人間嫌いで、尊敬する父が人間の女性を愛したことを、苦々しく思っていました。
異母弟の犬夜叉を「薄汚い半妖」と呼び、見下していた殺生丸。そんな彼が、人間の幼女を傍に置くようになったのですから、凄い変化です。

やがて殺生丸は、数々の経験を経て成長し、慈悲深い心も持つようになりました。
弟の仲間を守ったり、その変わりようには皆ビックリ。最後はりんを人間の村に預け、自分はお土産を携えて頻繁に会いに行っています。もちろん、邪見と一緒に。
家族愛でも異性愛でもない、でも最高に暖かい、素敵なトリオなのです。