個人的にハマっている世にも奇妙な物語の小説~オリジナルがあり!

現在フジテレビで放送されている人気ミステリードラマ世にも奇妙な物語はレギュラー放送をしていた頃に、いくつかのエピソードを小説特有の展開に脚色されて書かれた小説が太田出版と呼ばれる出版社から販売されていました。

ドラマで放送された話の小説化

太田出版から販売された世にも奇妙な物語の小説は全部で15巻あって、それぞれ本の表紙が違います。

小説を書いている作家は主にSFやファンタジーを書いている作家で、番組のマニアのとってはおススメ出来る小説です。小説では各話に必ず独特なイラストが付いています。
全体的にホラーを中心として、ファンの心に残るコメディ系や感動系のエピソードなどがバランスよく小説家されています。

一番の代表作とも言える、世にも奇妙な物語ファンにかなり人気があり、ストーリーテラーを務めたタモリも気に入っている「ズンドコベロンチョ」の話が7巻目に収録されています。

この話はズンドコベロンチョと呼ばれる謎の単語が世間で流行するようになるという設定です。主人公であるサラリーマンが、そのズンドコベロンチョの正体を知ろうとしますが、自らのプライドや思わぬハプニングにより、予想を超えるくらいの笑い話になっていくのは話です。ドラマバージョンでは主人公役に草刈正雄が主演していました。

他に小説家された有名な話はロッカーです。
このエピソードはホラーの要素がかなり強いです。あらすじは産業スパイである男性が研究用の資料を盗もうとしますが、急に入って来た研究員に盗みの行為がバレそうになります。

慌てた主人公は、その研究員を殴り殺します。そして警察に見つかりそうになり、主人公は殺した研究員のロッカーに入ってしまい、因果応報の報いを受けるという怖い内容です。ドラマバージョンでは主人公役に織田裕二が主演していました。

他にはドラマで記念すべき第一回目のエピソードであるサスペンスタッチの展開を見せる中山美穂主演の「恐怖の手触り」、ファンの間でかなりトラウマに残っているエピソードである石田ひかり主演の「死ぬほど好き」、初期の世にも奇妙な物語の制作に携わったプロデューサーが気に入っていてファンに隠れた人気があるジュディ・オング主演の「女優」などが小説化されています。
テレビで中々再放送されない話も小説を通して堪能する事が出来ます。

小説でしか見れないオリジナルの世にも奇妙な物語

太田出版から販売された世にも奇妙な物語のシリーズでは、書いた作家によるオリジナルのエピソードを見る事が出来ます。

主な作家は中井紀夫や大場惑、井上雅彦、田村章などです。ちなみに作家田村章は後に改名して重松清という名義で活躍しています。作家重松清は2000年に直木賞を受賞しています。

作家のオリジナルの話もホラー要素が強いです。しかしホラー要素が強い話以外にも印象的な話を収録しています。例えば作家大場惑が書いた話「困った爺」です。

このエピソードは大学で留年した青年がアパートに泊まる事になり、そのアパートで会った不思議なお爺さんと過ごすという内容のシュールな展開の話です。
この話は作家大場惑が体験した実話をベースとしています。しかも小説の中でも、奇妙な現象が出てくるので面白いと思いました。

他に印象的な話は作家中井紀夫が書いた「夜の殺人者」です。この話は、ある一件のマンションで起こる理不尽な連続殺人の様子を描写していて、スリラー映画の要素があります。
そして理不尽な連続殺人の犯人である青年は実は、ある女性に一目惚れをしている事が判明して、物語は急な展開を見せます。この話は小説でしか出来ない仕掛けが用意されていて、深い余韻をもたらしてくれます。

この話は2009年に相武紗季主演でドラマ化されています。テレビ番組世にも奇妙な物語は原作小説を映像化するというケースがかなり多いですが、ノベライズから映像化されたエピソードはかなり珍しいので、貴重です。

他に印象的なエピソードは作家田村章が書いた話「失われた文字を求めて」です。この話は本を読むのが好きな中年男性が主人公です。

あらすじは、この主人公が求人で本をたくさん読んでいく仕事を見つけて、その仕事に採用されます。そして、その仕事を行っていると徐々に副作用が出てきます。

やがて仕事で読む本に平仮名の「ぬ」が出てこない事に気づきます。そして中年男性は平仮名の「ぬ」を見つけようとするあらすじの話です。

この話では設定や物語の展開がとにかく奇妙で、個人的に気に入っているエピソードです。また終盤のページで印刷されているラストの「ぬ」の文字が羅列されているページがあり、視覚にも訴えかけてくる作品だと思いました。

このように世にも奇妙な物語の小説はドラマバージョンと照らし合わせて読むと、色々と楽しむ事が出来るので、ドラマ世にも奇妙な物語のファンや少し変わった物語を読んでみたい人におススメ出来る小説です。