未経験から始める、オリジナル曲の弾き語りまでの道のり

自分の想いを込めた作曲と弾き語りまでの道

音楽を始めてみたいけど、楽器を習っていたわけでもないし。
自分の想いを曲にして発信してみたいけど、作詞なんてしたことないし。
曲を作ってみたいけど、作曲の知識もないしなぁ。

音楽をやってみたいけど、色々なハードルを高く感じて二の足を踏んでいらっしゃる方は多い。私もその一人でしたが、現在はオリジナル曲のレパートリーは2桁、全くの未経験から鍵盤弾き語りで音楽活動をするに至りました。

作詞してみた、ピアノ始めてみた

私が思い切って始めてみたことを順番にご紹介しようと思います。きっかけは何かの記事で、市内に音楽スクールができると知ったことから、なんとなく体験レッスンに行ってみたことでした。

ゼロからの音楽スクールでの経験

音楽とはあまり縁のない生活をしていましたが、防音ブースで好きなだけ歌える楽しさ、自由に使えるキーボードを弾いてみたい好奇心から、思い切って入学。

上手いか下手か、素質があるかないかと言われれば、正直あるとは思いませんが、何を始めるにしても大切なのは「楽しいかどうか」
へたくそでも音楽の魅力に惹かれ続けて1ヶ月後、歌の楽しさ、深さを知るにつれ、自分の想いを形にしたいと考え、作詞を始めました。

湧き上がった感情を書きなぐり、少しずつ形や文字数を整えて、一番伝えたいことをサビに思い切り込める。文字数が足りない、いい表現が出て来ない、そんな悩みも楽しく、初めての詞が完成した時の喜びは今も忘れません。

詞ができれば、ピアノを弾きたい!経験ゼロでも!

歌える、詞を作れる、となれば、次にやりたくなったのが楽器でした。

防音ブースに置いてある鍵盤。
実は小学生時から合唱コンクールのピアノ伴奏に憧れており、ピアノを弾きたい気持ちをここで解放し、ピアノコードの基礎の本を片手にひたすら練習しました。

ピアノを習っていたわけではない、楽譜も読めない、バイエルなんて初耳、だけどコード弾きを1つ覚えるごとに、今度はこの伴奏にメロディを乗せてみたいと思うようになりました。

思いついた鼻歌にピアノコードを付けてみる、初めて作詞した歌詞をそこへ乗せてみる、間奏はどうしよう、このコード進行に当てはめてみたらどうだろう。

こんな作業をひたすら繰り返し、ピアノを始めてから4ヶ月目で、人生で初めて、自分で作詞作曲した、世界のどこにも無い、完全なオリジナル曲が完成しました。


オリジナル曲が完成、路上からイベントへ

聞いてもらいたいなぁ!と思う!

さて、ボイストレーニングを始めて半年、ピアノを始めて4ヶ月で作ったオリジナル曲。次に思ったのは、自分の想いを込めた曲を誰かに披露したい、聴いてもらいたい欲求でした。

当時はフリーターで、少ない収入の中から工面したお金で自前のキーボードを購入し、オリジナル1曲だけを引っさげて、ただひたすらそれだけを歌いに路上ライブを敢行しました。

覚えて間もないピアノコード弾きはおぼつかないし、手元を見るのに精一杯で歌う方が疎かになるし、しかも路上ではみんな足早に通り過ぎて行くだけ。
それでも、初めて人前で歌うことの楽しさにどっぷりはまってしまい、その後1ヶ月ほどは2曲目を作りながら、やはりたった1曲だけを歌いに路上に出続けていました。

最初はダメでも繰り返すこと

作詞する、できたらコードを付けてみて作曲する、できたら弾き語れるように練習する、ものになってきたら路上で歌う、これを繰り返していくうちに持ち歌が増えていき、聴いてくれた方からリクエストをいただくようになりました。

カバー曲のレパートリーが無かったので、好きだった70~80年代の昭和歌謡曲を片っ端から弾きまくり、オリジナルとカバーを融合させてお客さんを楽しませる「ライブ」というものを意識するようになりました。

路上ライブをある程度長くやると、不思議と仲間はできるもので、隣で演奏していた方と名刺交換して交流するようになりました。
また、応援に来てくれた友人がイベント関連会社に勤務しており、次回のイベントに出演してみないかと声をかけてくれたことから、路上だけでなくさまざまな場所でライブ活動ができるようになっていきました。

やりたい思いだけで、ただやり遂げる事

野外音楽フェスの代表、ライブハウスやスタジオの店長、ブッキングマネージャー、スナックや音楽バーの店長や演者さんなどと共演やコンタクトの機会に恵まれ、路上ライブをしていた市外からも多数のオファーをいただきました。

薬局や病院での定期演奏会やリゾートホテルロビーでのパフォーマンス、ライブバーやスナックでのBGM代わりの演奏、雪祭りのステージなど、こんな場所で歌うことは人生でそうそう無いだろうと思うほどの貴重なステージに多数立たせてもらいました。

活動の場が広がるにつれ、音源の手作りにも挑戦しており、1年間で手売り100枚を目標に掲げ、大雪の日も路上に出ていきました。

素人の手作り、簡素な機材での自宅録音、なのにこれほど多くの人が興味を持ってくれることが不思議でしたが、10ヶ月ほど経過した氷点下12度の路上ライブで、100枚目の手売りに成功しました。

専門知識なんてないし、技術はプロとは程遠い、だけど何かを始める一歩を踏み出せば何かが起きる。そして人生の自信に、生きがいになる、そんな素敵な音楽ライフをぜひとも始めてみてはいかがでしょうか。