音楽の移り変わりとジャズの聴き方を知ったこと

音楽の移り変わり

昭和50年代、ラジオもテレビも歌番組だらけでした。

ラジオ局各局、テレビ局各局が、一番人気のとれるコンテンツとして、お金をかけて歌番組をぶつけてきました。それもただの歌番組ではなく、ランキング形式の歌番組だらけだったんです。

音楽をラジオでリクエストする時代

例えば、地方のラジオ局でも、地元のレコード店の売上や、ハガキ、電話のリクエスト数、有線放送の人気具合などをポイント化して、毎週毎週、細かいランキングを発表していました。

音楽というものがメインコンテンツだった

地方ですらこの勢いですから、全国規模はもっとすごくて、在京のTBSや、日本テレビは、「ベストテン」「トップテン」という歌のランキング番組を展開していました。

数分間しか出番のないアーティストのために!わざわざ個別にセットを作りこんで、それも1回限り、使い捨てで、どんどん毎週新しいセットを作っていくというすごさでした。

当時、どんだけ予算があったのか、予算を削ることしか聞いたことがない形成のサラリーマンからすれば、夢のような時代です。

昭和の頃は、シングル曲の売上人気ランキングをつけると、アイドルも、ポップスも、ロックも、演歌も、コミックソングも、アメリカの歌も、なんでも入ってきたものです。

音楽をみんなで共有する時代

平成の今の時代のように、最新の音楽が、街にもテレビにもなく、個人個人のスマホの中に閉じ込められてしまっている時代とは違って、新曲の流行は、街にあふれ、商店街で流れ、世の中みんなの共有財産だったんです。

だから、小さな子供たちも、五木ひろしさんや、森進一さんを知っていたし、年末のNHK紅白歌合戦に出る歌手は、子供からお爺ちゃんお婆ちゃんまで、みんなが知っていました。

そんな時代の中、子供の頃の私は、学校から帰ると真っ先にラジオをつけ、今日の地元のベスト10を確認し、夕飯を食べた後、テレビで、全国のベスト10を確認するような、音楽大好き少年になっていったのです。

そこで、いくつか道は分かれると思うのですが、私は楽器演奏の方には行かず、電気部品を組み立てるようなオーディオマニアにもなりませんでした。
ただただ、音楽が好きで、みんな聞いているのが最高に楽しかったのです。

つづきは、私個人がジャズについて想う事です。

音楽好きが進行していき、最終的にジャズの世界に

私は、高校から我流でギターを始め、我流で歌を始め、作詞、作曲にも手をだし(音楽理論は全く知らない。メチャクチャ。)さらにオーディオを始め、結果、音楽なら何でも好きという状態になり、生まれつきの凝り性なのもあって、専門書を読み漁るようになります。
作曲、編曲に挑戦できる!

時は過ぎ、パソコンを使って、音楽を作るようになり、作詞・作曲・編曲をして、パソコンにドラムパートを作り、ベースパートを作り、キーボードを足し、エレキギターを足し、自分の歌を入れるということをしていました。

今だから冷静に言えますが、平成の初期の頃の私は、音楽に対する理解や、楽器に対する理解が甘く、ゴテゴテと足すことしか頭になく、メロディも、詩も、歌も、楽器も活かせてはいませんでした。

で、そのころ私は、「音楽に好き嫌いはない」というのをモットーにしていて、クラッシックのコンサートから、ニューミュージックのコンサートから、ロックのコンサートまで、行けるものは何でも言っていました。

はじめは敬遠していたジャズ

その中で、唯一、神棚の上にあげて、「大人になったらゆっくり勉強しよう」と思っていたのがジャズでした。

先ほど、なんでも聞いていたとか、街に流れていたとか言いましたが、ジャズは、なかったですね。

日本でも、戦後すぐとか、昭和30年代は、ジャズが、アメリカから来る音楽の主流でしたが、私の子供の頃には、ジャズの勢いはありませんでした。

いつしか、もうそろそろいいかなと思って、買ったアルバムが、「マイルス・ディヴィス」の「カインド・オブ・ブルー」。

今は愛聴盤です。ジャズの名盤中の名盤なのですが、ジャズ素人には荷が重かった。暗い、楽しくない、速弾きもあまりない。ジャズって、こんなもんだっけ? ほんとに名盤なの?

これが正直な第一印象。

聴いているうちにはまっていくジャズの魅力

そして、安い中古のジャズを少しづつ聞き始め、気に入ったミュージシャンも増えてきて、「この人のサックスと、この人のピアノなら、どんな音がするのだろう。」とか、バリトンサックスのアルバムを集めようとか、興味が広がってきて、まず、凝り性の収集癖が勝ち始め、2千枚くらいジャズのCDを集めましたね。

そのうち、ジャズにも慣れて、自分の好みも固まりだし、本当に好きなものを選び取るようになりました。

そして10年。
集めた結果の不思議として、ネット上に上がっている、「ジャズ名盤紹介」などにあがるCDは8割以上の確率で、私は持っているということです。偶然にも。

ジャズの名盤と言われるものの中で、上位100枚くらいは、ジャズ好きなら、大抵みんな納得する、普遍的な良さを持っているということではあるんですが。

私は、我流でジャズを聴き始めましたが、行きついた先は、コースアウトではなく、メインストリートの真ん中にいたということがうれしいです。

変わったジャズも多いんですよ。評価されないミュージシャンや、すぐ消えてしまうジャズも多いんですよ。

そのなかで、我流で進んで行って、多くのジャズ好きが良いと言えるものを、自分も良いと言えるようになったのは、奇跡であり、達成感もあります。

好きを突き詰めてきて、思うこと。

突き詰めると、結局、歴史とか、国とか、社会とか、人生とか、生き様とか、生き甲斐とか、私はなぜ生きるのか、というようなことの近所に行くことになります。

突き詰めることは良いことだ。好きなことはとことん行くべきだ。
行かなきゃわからないことがある。
人生死ぬまで勉強だ。