素敵な化石の購入からスタートしよう
まさかね、掘るわけにもいきません。
私もいくつかの化石を持っていますが、案外安価に手に入りますよ。これホンモノ?と疑われる事もしばしばですが、そこはちょっとロマンを込めて、趣味にどうでしょう?
以前「マンモスの毛」を入手した時は、奥さんから「あんたの毛じゃないの」と言われましたが・・。分かってないなぁ。
お気に入りの化石を購入する為に
さて、アンモナイトに三葉虫と、童心を思い切りくすぐられる科学系博物館の多彩な化石標本。
当然の事ながら興味を持ち出すと、単に眺め感嘆するだけでなく、いつかは自分の手で採集したり、標本としてコレクションしたりして楽しみたくなってくるものです。
ただ日本列島は海外と異なり地殻変動が常に盛んで、化石を含む地層に大きなストレスが加わり易く、博物館で感嘆してしまう様な綺麗な保存状態の化石が採集し難いというデメリットが存在します。
しかも土地の利権の問題もあり採集不可能となっている化石産地も多い上、かつて有名だった化石産地も荒廃し、あるいは産地保護の為新たに採集禁止とされる等、化石採集を取り巻く環境は極めて悪く、存分に採集を楽しむハードルは極めて高くなってしまっているのです。
ただ採集という手段に頼らず、化石を入手しコレクションとして楽しみたいというだけなら、そう難しい話ではありません。
何故なら国内外に化石や鉱物を扱うディーラーが多数あり、店頭売りやネットショップ、オークションや展示即売会を通じて楽しく購入出来るからです。初心者であれば、ヤフオクなんかでも売ってますよ!
また個人の化石ハンターや収集家が、貴重な産地の化石や希少種のハイクオリティな標本をネットオークションに掛けるケースも少なからずあり、お金に糸目を付けなければ、それこそ博物館クラスの化石を入手出来るチャンスすらあるのです。
とは言え、初心者が気軽に綺麗な化石を入手するなら、国内ディーラーを活用するのがベストでしょう。
国内に店舗やネットショップを展開しており問い合わせや購入の段取りも大変楽。また日本語で意思の疎通が図れるというのは極めて大きく、詳細なリクエストを出し希望の種類やサイズの化石を求められる嬉しさがあります。
一方ある程度化石に詳しくなったら、思い切って海外ディーラーも多数参加する大規模展示即売会に出掛けてみるのも良いでしょう。質問やリクエスト、値段交渉は全て英語で行わなければなりませんが、得られるものはきっと大きい筈。
またどうしても英語が苦手な場合、ブース内に通訳の人がいるケースも多いですから、間に入って貰うのも良い手です。
また三葉虫やアンモナイト、恐竜を始めとした脊椎動物等、ディーラーごとに強いジャンルがありますから、好みのジャンルを自分の中で早目に確立し、即売会当日はそのジャンルに強いお店を集中して回る、といった楽しみ方も出来る様になるでしょう。
買うだけでなく探す楽しみも
小学生が化石発見、なんてたまにテレビのニュースでやってますね。
化石の値段は実に様々。
非常に多産するアンモナイトなら数百円単位から買える一方、複雑な構造の三葉虫の中には数百万円もする標本がある等、相場をイメージするのは中々大変なもの。
ただ相手は既にこの世から絶滅し二度と再生産が利かない化石ですから、どんなに安くとも購入したからには大切に扱っていきたいものです。
お金に糸目を付けず何が何でも綺麗な化石を手に入れたい、というのでは無く、実際にフィールドに出て化石採集の気分だけでも満喫したい… という願望を持つ人も多い筈。
それなら、有名化石産地の近くで運営されている博物館や資料館が定期的に主催している採集体験イベントやツアーに参加する、という方法があります。
これなら一般には採集禁止されている化石産地にも合法的に堂々と入る事が出来、大自然の中で思う存分ハンマーを振るう事が可能。もちろん近くにガイドの学芸員やボランティアが付いていてくれますから、化石の見つけ方のノウハウを伺ったり、見付けた化石の簡単な同定をお願いしたりする事も可能。むしろ独力で行う採集よりも得られる知識や楽しさははるかに上かも知れません。
現在は恐竜を始め、化石を観光の目玉にしている市町村が地方を中心に増えており、旅行がてら訪れると楽しみが一気に膨らみます。もし訪れるなら1日丸々充てるつもりで余裕あるスケジュールを組みたいものです。
購入や採集等をある程度繰り返すうちに、自分の中で本当に極めてみたい、勉強しコレクションを広げたい化石のジャンルが見付かる筈。そこまでしっかり自分の中に確立されたら、次に進むべきは自分が強く関心を持つ化石ジャンルについての学術論文に触れる事。
特定の種類についての学術的な特徴や多種との見分け方が詳細に記述されていると共に、基本的に全て英語で書かれていますから、翻訳力を鍛える事にも繋がります。
この力を鍛錬すれば、上記の様な外国ディーラーとの取引や質問もスムーズに行える様になる筈。またいつかは訪れるかも知れない海外化石産地へのツアーでも力を発揮してくれるに違いありません。
化石一つ取っても、一旦興味を持ちさえすれば、単なる所有欲からここまで興味や世界を広げる事が可能なのです。