希少な宝石アレキサンドライトの変色は神秘的なムードを漂わす
6月の誕生石であるアレキサンドライトは、2つの色光を放つ高貴な石として人気が高く、宝石の王様とも呼ばれています。
あなたの好きな宝石、少し詳しく知ってみたいと思いませんか?
そして誕生石のプレゼント、欲しい、あげたい、そう思いませんか?
今回は、私の誕生石であるので、アレキサンドライトについて記事してみます。
アレキサンドライトの由来と産出を知る
さて、宝石の一種である「アレキサンドライト」は1834年にロシアのウラル山脈のエメラルド鉱山で見つかりました。
当初はエメラルドだと思われており、その色光が美しく変化する珍しさから、当時のロシア皇帝のニコライ1世に献上されたのです。
そして、その日が皇太子のアレキサンドル2世の誕生日だったことから、献上石は「アレキサンドライト」と名付けられました。皇太子の名前からとられたのです。
それだけで、なんか高貴!でも「王様」じゃぁないじゃん!皇太子!
アレキサンドライトの産出
その後、アレキサンドライトはクリソベリル(金緑石)一種であることが判明しました。
現在、アレキサンドライトの産出量が一番多いのはブラジルで、世界のアレキサンドライトの全産出量の約9割以上を占めています。
ブラジルの中でもイマティタ鉱山が最も多くなっており、小粒ながら変色効果の美しいアレキサンドリアが大量に採れています。
なお、一番質が高く、また美しい石が採れるのはロシアであり、比較的大きい石が産出されています。
ただ、近年はあまり産出されておらず、最初に採掘されたウラル山脈ではほとんど採れなくなっていますね。
そのため、ロシア産のアレキサンドライトには希少価値があり、高値で取引され、その他、スリランカやミャンマー、インド、マダガスカル、タンザニアなどでもアレキサンドライトが産出されています。
ちなみに昨今、ほとんどの国の鉱山でアレキサンドライトが枯渇してきており、順調に産出できるのは東アフリカのタンザニアくらいなのです。
アレキサンドライトの色の変化
アレキサンドライトの大きな特徴と言えるのが、色の変化です。
太陽などの自然の光の下では深い緑色に輝き、夜のロウソクやランプに照らされると赤紫に光ります。この色の変化の鮮やさが石の質を表しており、価値が高いのです。
例えば、スリランカ産のアレキサンドライトはロシア産のものと比べると黄色っぽい緑に見え、赤も赤紫ではなく茶色っぽい赤に見えるため、美しさに欠けてしまいます。
なお、アレキサンドライトの色が変化するのはクロムという元素が影響しており、太陽のようにバランスの良い自然光の下では緑に見え、赤色の成分が多い白熱光の下では赤紫に見えます。
クロムには緑と赤紫の2色が含まれており、それが光の種類によっていずれかの色の性質が強く現れます。それが、アレキサンドライトの色の変化の原因なのです。
アレキサンドライトの価値と評価
アレキサンドライトは一般的にインクルージョン(内包物)が少なくなっており、通常インクルージョンの少ない方が価値が高くなります。
ただ、平行に並んだ細い針状のようなインクルージョンが含有されると、猫の目のように光が平行に反射するシャトヤンシー効果が現れ、アレキサンドライトの価値を高めます。
アレキサンドライトに小さな面のファセットを入れる時は、クラウン側にブリリアント・カット、パビリオン側にステップ・カットが施されます。
仕上げた石をクラウン側から見た時に、色の変化が最大に見られるものが最も良いカットで、フェースアップで赤紫色と青緑色の両方の多色性の色が同時に見られることが非常に重要になります。
最近のアレキサンドライトの原石は比較的小さくなっており、カットされた石はほとんどが1カラット未満になっています。
従って、それ以上のサイズのものは非常に希少性が高く、高い価格が付いています。
アレキサンドライトの買取における査定ポイント
アレキサンドライトの査定ポイントには以下などです。
1.カラーグレードとカラーチェンジ
色の変化が明確で、はっきりとしている石が高い評価を受けます。また、色合いは深緑や暗赤色、濃い赤紫色など、鮮やかさが強く出ているものが好まれます。
2.模様やキズ、透明度
透明度があり、インクルージョンが少なく、キズの小さい石は高く評価されます。
3.合成石ではなく天然の石
加工され生成された合成石ではなく、天然の石の方が当然価格が高くなります。
4.産地
ロシア産は別格の扱いを受けます。
5.カットの種類
石ごとの特性に合わせたカットの施されているものが好まれます。例えば、純粋で明るい色合いのアレキサンドライトはファセットカットで、インクルージョンがあるものにはカボションカットを施されていると高い評価を得られます。
アレキサンドライトは稀少価値の高い宝石
6月の誕生石であるアレキサンドライトは、2つの色光を放つ高貴な石として人気が高く、宝石の王様とも呼ばれています。
ご存知の方も多いと思いますが、アレキサンドライトは、昼は太陽の光の下で緑色になることから「昼のエメラルド」、また夜はロウソクやランプの灯りで赤紫に見えることから「夜のルビー」と呼ばれています。
昼と夜に異なる表情を持つ宝石に魅了されているファンが数多くいるのです。